ようこそ、悪魔の悪魔による悪魔の為の悪魔的なボードゲームの世界へ
□ダイススロー 2回目
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ダンテの頭がつぶされそうになったその時、突然世界が変わった。
世界は、暖かみあふれるリビングルームから、濃霧に覆われた場所へ。
「えっ!?」
「何ここ?」
「なッ…」
立ち上がるとそれまで座っていたらしき椅子すらなくなっている。
思わずネロもダンテの頭から手を離した。
「痛てて、死ぬところだった…
んん、ここは…?」
一瞬、花畑に座る母親が見えた気がする。
無事にこちら側へ戻ってきたダンテは、部屋から違う場所に移動したことにやっと気がついた。
「命令の…中みたい」
逢夏が手元に握りしめたままだった命令の紙を見ながら言った。
「『30分間の死をどうぞ味わってね☆』って書いてある…」
「はあ?死を味わう?」
「怖そうなのに☆で半減してる…変なの」
「ふ…っざけんな!」
ネロが地面を右腕で殴り付ける。
その手首には手錠がついていた。
「なん、だ…これ…」
確認すれば、全員についている。
手首だけではない。
首には首輪、足には足枷もついていた。
いつの間についていたのだろうか。
「う〜、外れない…」
「何の意味があるんだろ。
ネロ、取って?」
自分達は後回しにして、困っている女性達の分に取りかかる。
「なんかSMプレイみたいだな…。
ディーヴァ、今壊してやるから動くなよ」
「ダンテ、変なこと言うな。
逢夏もちょっと待ってろ」
SMプレイ。
ちょっと俺も考えたことだった。
後にネロはそう語った。
「あれ、おかしいぞ」
「俺の右腕が効かない…」
ダンテとネロがいくらその怪力を駆使しても、びくともしない。
最終的にはくたびれて座り込む始末だった。
「ダメみたいだ」
「さすがにちょっと疲れた…」
「ダンテの怪力が通用しないってどんだけ固いの?」
「ネロだってかなりパワーあるのに…。
それにこの道はどこに続いてるんだろう、
ちょっと行ってみてくるね!」
逢夏が立ち上がり進もうとしたが、ネロは無言で『命令』を下した。
その瞬間逢夏はピタリと立ち止まる。
「あ、ごめん…」
「はあ…視界が悪いからあんまり動くんじゃねぇよ」
「ディーヴァ、お前も動くなよ?」
「怖いから動きません!
…それだったら、この手錠とか足枷の鎖は一体どこから繋がってるんだろ?」
唇に疑問をのせ、ディーヴァは鎖をぐいぐい引っ張る。
すると、何故かダンテが「ぐえっ」と潰れたカエルのような声をあげた。
ディーヴァから伸びた長い鎖は下に落ち、ダンテのそれと繋がっていたのだ。
あわてて各自確認すると、ダンテ、ディーヴァ、逢夏、ネロの順番で繋がっているとわかった。
スン。
ふと、ダンテが鼻を利かせると、遥か前方から血の匂いが漂っているのがわかった。
ネロもわかったようで、2人は顔を見合わせて頷きあった。
───いやな予感がしやがる───
───ああ、ビシビシ感じるぜ───
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