ようこそ、悪魔の悪魔による悪魔の為の悪魔的なボードゲームの世界へ

□ダイススロー 4回目
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誰が信じられようか。
でも、信じるしかない。

目の前にいる異様に耳の長いうさぎのぬいぐるみが逢夏で、耳の尖った黄色いギザギザ尻尾のぬいぐるみがディーヴァ。

そして自分は首に青いリボンをつけた黒猫のぬいぐるみだった。

2人ともかわいいから許すが、この悪魔のゲーム…意味がわからなすぎである。
悪魔の真意がまったく読めない。

「はあ…なんか胃がキリキリする。このゲーム終わった頃には俺、胃潰瘍か?」
「ネロやダンテも胃潰瘍とか病気になるの?」
「あ、ダンテたまに風邪ひくって言ってたような…
 バカは風邪ひかないはずなのに」
「自分の恋人にそこまで言っちゃう?」
「お前ひどいな」
「ダンテ相手だからね」

ちょっぴり毒舌なディーヴァにびっくりしていると、ダンテの声が近づいてきた。

「おーい、お前ら!!」

おもちゃで出来た山の角を曲がったダンテの姿があらわになった。
その声は、でっぷりしたヒヨコから聞こえている。
もしかしなくてもダンテはこのヒヨコのようだ。

「…って。
 ディーヴァ達の声がするのに、いるのは動くぬいぐるみ!?
 さてはてめぇら悪魔だなっ!! オレの大事なdarlingをどこにやった!」

悪魔と勘違いしたダンテが、戦闘の構えを取る。

一方、3人はダンテのなりに釘付けだった。
堪えきれずにふきだす。

「ぶはっ」
「プクククク…これは予想外!」
「なっに、それっっ!あはははおっかしー!!」

一同、大爆笑。

「悪魔共、なに笑ってやがる!」

ひとしきり笑い終えた3人は、誤解を解くため話した。

「ダンテ、あたしだよ!
 黄色いのはディーヴァだってば」
「私はこの耳の長いうさぎね」
「俺は黒猫な。
 もしかして気づいてないのか?」

気がついたらこの場所だったこと、自分の姿がぬいぐるみになっていたことを詳しく説明する。

「は?え、え?」

そして最後に逢夏が拾ったらしい割れた鏡を渡されて確認したダンテ。
映り込んだ自分の姿に叫び声をあげた。

「な、なんじゃこりゃー!!」

ダンテのヒヨコ姿は、他の3人と違いかわいいとは言えぬ物だった。
でっぷりとよく肥えた体に、申し訳程度に三本生えた毛、何も掴めなさそうな短い手足。
極めつけに潰れたような不っっ細工な顔だった。
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