ようこそ、悪魔の悪魔による悪魔の為の悪魔的なボードゲームの世界へ

□ダイススロー 5回目
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コマの気味の悪いうめき声に言い合いを止めた2人にもう一度
今度は2択となった質問が逢夏により投げかけられた。

「もう一回聞くよ。
 2人は体が丈夫な方と多少ルールが小難しくてもすぐに理解できる方、どっち?」
「ダンテはもちろん体が丈夫な方だね。」
「ディーヴァ!?」
「だって、ルールなんてすぐに聞き飽きて放棄しちゃいそうだし。
 違う?」
「多分違わねぇけど……なぁ、ディーヴァ…さっきからオレの扱い、ひどくね?」
「そんなことないよ?
 きっとダンテの気の所為。」
「……。」

ダンテはがっくり項垂れながらディーヴァの手から『ちョッとイタぃきャンずイ』と書かれたカードを受け取る。
そして残りの『ルぅるムツカしなかんずィ』と書かれたカードはネロの手元へ。
ディーヴァの協力もあり、無事2枚のカードの持ち主は決定。

そこでようやく逢夏によるネタばらしの時間がやってくる。

「渡したカードなんだけど、開いたら運だめしの内容が書かれてて、運だめしが始まるらしいの。
 この命令の終了条件は4人中3人以上が運だめしで悪魔に勝つこと。
 因みにディーヴァちゃんに渡したカードは『一番easyな感じ』ってカード。
 ダンテに渡したのは『ちょっと痛い感じ』、ネロに渡したのは『ルールが難しい感じ』って書かれてるカード。
 だから、みんなのはそんなに大変なことじゃないはずだよ。」

簡単な説明が終わり"何か質問は?"と時間をとた逢夏。
そこに…
教えられたカードは3つ。けれど実際存在するカードは4つ。
そして"みんなの"という言葉にディーヴァは心に痞える何かを覚えた。

「みんなのはって?
 逢夏のはどうなの?」
「私?
 私はねぇ、…………内緒!」
「はぁ?
 おい、まさか一番楽なの取ったとかじゃないだろうな?」
「ダンテじゃあるまいし、逢夏はんなことしねぇよ、馬鹿。」
「んだと!?」
「はいはい!
 もう、一々ケンカしないのっ!
 ここは逢夏を信用しようよ。
 …信用、していいんだよね?」
「もちろん!」

そうして最後の一枚を逢夏が取る。
やいなや

「いってぇっっ!」

再びコミカルでケミカルなポップ音と共にネロの頭上に4面ダイスが落ちた。
素材は分からないが、小さくも重く固いらしいそれにネロが蹲る。
それを見、ガタガタと笑うかのように震えるコマが叫ぶ。

『おデのェ、魔カィいちぃィぃ!』
「俺の絵は魔界一!…だって。」

どうやらこれはデフォルメのマークを馬鹿にされた悪魔のささやかな仕返しのよう…
しかし、仕返しを面白がったのは悪魔だけではなかった。

「はっ!ネロ、だっせ!
 あははははっ、腹がおかしくなりそうだ!」
「……、天誅っ!」
「〜〜〜〜〜っっ、いっっってぇ!」

ケラケラと笑っていたダンテの頭上にディーヴァは拾い上げた4面ダイスを落とす。
その様子に擬態語を付けるとするなら"ぷんぷん"。
そんな可愛らしい感じに怒りを表すディーヴァにダンテも一言二言言おうとする口をつむって黙った。
蹲っていたネロには逢夏がすぐさま介抱についていた所為か、なんとか復活。

ようやく4人が万全になったところでコマが喋べり始めた。

『運だめぃしの順番モ、ゥんだメぇし!
 ダィす、ふルふルゥ!』

「運だめしの順番も運だめし、4面ダイスを振れって。」

悪魔の言葉に逢夏の翻訳がすかさず入る。
その間にも何故かダイスはディーヴァの手に渡り…

「あたしから…?」
「ま、カードを取った順番ってことで。」

そんなネロの言葉もあってか、ディーヴァはダイスを一度握り直し

「えいっ!」

ダイスをテーブルの上で転がした。
カラコロと音を鳴らして、数秒。
止まった数字は『4』。

その途端、重複を避けるためかダイスから4という数字がなくなり、3つの数字だけとなったダイスをダンテが振る。
そして次には数字が1と2しかないダイスをネロが…。

とこうして決まった順番はダンテ、逢夏、ネロ、ディーヴァとなった。
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