Ss

□Never mind!
1ページ/1ページ


take 1

「三橋!付き合ってくれないか!」


「うん、い、いいよ」

「いいのか!?」

「う、うん」

「男同士で気持ち悪いとか思わないのか!?」

「え、う、うん」

「本当にいいんだな!?」

「う、うん」

「よっしゃああああ」


「ど、どこに行くの?」

ピキッ

「どこって…」

「付き合って、ほ、しいとこ、あるん、でしょ?」

ピキピキ

「オレ、いつでもいいよ!」

「ああ…ありがとう…」

バラバラバラ




take 2

「三橋オレお前のことが好きなんだ!男同士で変だと思うけど」

「お、おれも阿部くん好きだ!」

「ほんとか!?じゃあ付き合ってくれるか!?」

「う、うん!も、ちろんだ!」

「いいのか!?」

「うん!どこに行く?」

ズドーンガラガラガラ

「え、あ、また今度にするわ…」






take 20

「三橋、大切な話があるんだ」

「今、から職員室行かない、と…ごめんなさい」

パラパラ…



「阿部、諦めないねえ」

「なんか泣けてきた」

栄口と花井が陰ながら見守ること早1年

三橋は天然っぷりを発揮して一向に気づかないし

それでも阿部は諦めない

「三橋、あれわかっててやってないよな…?」

「三橋に限ってそれはないでしょー」

涙ぐましい努力の甲斐なく阿部の思いは今だ三橋に届いていなかった



Last take

「三橋好きなやついる?」

「い、いるよ!」

「そっかあ…」


「…もうこれで最後にする」

「?」

「三橋好きだ。付き合ってくれ。」

「いいよ」


「違うんだ。
どこかに一緒について来て欲しいとか友達としてとかバッテリーとしてとか遊ぼうって意味じゃなくて

恋人として、付き合って欲しいんだ」


「いいよ」


「お前のこと性的対象として見ているっていうことだぞ?」

「う、うん」

「お前とキスしたいとか抱きしめたいとかそんなこと考えてるんだぞ?」


「う、うん」


「本気だぞ?」


「う、うん」

「…いいのか?」


「よろしくお願いシマス」


イタズラっぽく微笑んだ三橋に阿部は心を射ぬかれた




「あれ、わざとだったのか」

「魔性だな」

卒業式、やっと阿部の思いが届いたことを複雑な気持ちで見届けた二人だった

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ