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□ある日の昼休み
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キーンコーンカーンコーン

4時間目の数学が終わったある日の昼休み、みんな難しい公式から解放され
食堂に行く者は我先にと教室を飛び出て、クラスでは弁当を広げたり談笑したり思い思いにのんびりと過ごしていた

ある一人の男を除いて…



巣山はある現象に少し困っていた

「すーやまー、食堂行こう」
最近無性にお腹が空いて仕方ない育ち盛りの栄口は
今日も弁当だけでは満足できない腹を満たすべく巣山と一緒に食堂のパンを買おうと思っていた



「…どうしよう、困った」

「どしたの?」

真面目にそんな事を言う巣山に少し驚きつつ栄口が聞く

「クララが立った」

「え?クララ?」
巣山が示すところの意味がわからず聞き返す

「そう、男の象徴とも言えるアレ
すまないが今堂々と歩けば変態呼ばわりされそうな状態だから食堂行くのは後でいいか?」

「あーソレ…
時々困るぐらいにいきなりきちゃうアレね
てゆーかその報告いる?」

「栄口食堂行くの楽しみにしていたのにすまん」

「いや、今ので大分食欲セーブされたから大丈夫だよ」

「なんならちょっと抜いてくるから」
「…なんかその表現生々しいだけど」

「冗談冗談」

「巣山真面目な顔していうからどこまで本気かわかんないときあるよ。」

「まあ、深い意味はない。飯食おうぜ」

「…」

「うまそー」
「…うまそう」

「いただきまーす」「いただきます…」




弁当を食べて少し満足した栄口はなんだか眠くなってきた
だが空腹を満たすべく立ち上がらないとなー
そう思いながらあくびをした瞬間、


「すやまー、困った」

「どうした?」

「クララさんがたった」

「まじかよ」
何故かツボに入った巣山が笑い出す

「次の授業移動だからそれまでになおるといいな」

「パン食べる気満々だったのに…」

「ドンマイ」

そう言ってまた笑い出した巣山を横目に
いつもはあんまり下ネタ言わない癖に巣山のツボがわからないと
栄口は赤い顔をしてむくれるのであった


 

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