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□illustration
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あ、なんか新鮮だなー、なんて呑気に考えてたらボリスに染み付いた硝煙と、土の香りと共に

噛み付くようなキスが降ってきた。

「?!」

「ん………ッふ、ぁ…!」

頬に添えられた手も、重ねられた唇も冷え切っているのに、絡められた舌だけ異様なまでに熱い。

なんで突然、とか手ちょっと震えてるなとか巡ったのは一瞬で、今朝からの欲求不満も手伝ってもっと感じたい、としか思わなくなる。

首に腕を回してソファーの上へと引きずり込んだ。

「ッン…!」

俺の上に乗る形でソファーに倒れ込んだボリスを逃がさないよう、首に回した腕に力を込める。

「ハ、ァ………!ッァ…」

「ん………はぁ…」

唇の温度が同じになった所で離れると、どちらのものか分からない銀糸が短く繋がり、切れた。
僅かに開いた口から覗く赤い舌が妖艶で、もう一度貪りたい衝動に襲われたけど、何か言いたげなボリスを見て我慢する。

荒い息を必死に整え、ボリスは薄く笑った。



「…好きだ、コプチェフ

今までも、これからもずっと―――」





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『不器用の祝言ぎ』より

illustration by タコクラゲ

*タコクラゲ様宅逝ってよし(仮)

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