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□もしものはなし
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リハビリ文。寧ろサルベージ(?)

運狙

ほぼ会話です。

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 もしも俺に会えなかったら、コプチェフ、お前はどうしてた?





もしものはなし





「それじゃあ、もしも貴方が猫だったら?」

「あ?にゃーにゃー鳴いてるんじゃねえの?」

「他に言い様ないのボリス……まぁいいか。次!もしも女性だったら?」

「お前と堂々とデート出来たんじゃね?」

「ボリス…!!!!」

「ま、俺みたいな性格の女だったら俺は願い下げだけどな」

「えー、きっとボリススゴい美人さんだと思うけどなぁ」

「あ"ぁ!?」

「ナンデもナイデス」

「じゃあ、次!もしも海で呼吸が出来たら?」

「海なんて行ったことねぇよ。でもそうだな、いいんじゃね?けど、そうなったら人間同士の海の領土取り合いでまた戦争だけどな」

「うう、リアルすぎる…。次は、もし未来に行けたら?」

「お前の老けっぷりを見てきてやるよ」

「なに、そのピンポイントな嫌がらせ」

「じゃぁ、お前だったらどうすんだよ」

「う〜ん、宝くじを当てて一攫千金とか?」

「アホらしい…」


 大仰にため息をついたボリスは俺の手からひょいと本を奪い取りパラパラとページを捲り始めた。


「もっとマシな質問は無いのかよ?下らないやつばっかりだな」


 パラパラと捲られるページ。
そして、あるページでその手の動きが止まる。


「おっ、じゃあ、これなんかどうだ?」

「ん、何?」

「もし俺に会えなかったら、コプチェフ、お前はどうしてた?」


 刹那コプチェフの動きが止まった。唇に掌を充てて考えている。そんなに難しい質問だったつもりは無いのだが。


 ん?と見上げると、コプチェフは少し真剣な顔になって言った。


「…無理だよ」

「何が?」

「ボリスの居ない世界なんて考えられない、って言ったんだよ」

「は?」


 コプチェフは俺から本をか掻っさらうと、さっきまで唇に充てていた掌を俺の頬に添えた。


「考えられない。考えた事もない。ボリスの居ない生活なんて有り得ない」


 近距離で顔を見つめられれば少し照れくさくて、思わず顔を背ける。


「…死んだらそうなるだろ」

「でも、記憶には居るよ?」


 何だか論点がずれている気がするが、言われてみれば俺も考えられないと思った。


コプチェフと出会わなかったら?


 確かに今まで考えた事も無かったかもしれない。コプチェフが居ないと言う事は、俺のこの十年以上を書き替えると言うことだ。


「………無理だな」


 俺の記憶の中の、どのページを捲っても、殆どにコプチェフが居るのだから。


「思ったより深いじゃねえか」


 パラパラと雑誌を捲りながらボリスが呟く。その顔には微かな笑みが浮かんでいる。


「変だよな。お前に会う前は、お前って存在を知らなかったのに」


 今ではこんなにも侵食しているきっと、もしも突然居なくなったら?と聞かれても答えられない。


もしも、もしも、もしも―――


 この世界には沢山の"もしも"があるけど、お前に関する事だけはきっと上手く答えられない。


「な〜に真剣に考えてるの?」

「あぁ、難しいな、って」


 コプチェフを見上げれば、そんな俺にちょっと驚いて、それから嬉しそうに微笑んだ。。


「何だよ」


「いーや。お互いに必要不可欠って事がよーく認識できて良かったんじゃない?」


「ね?」なんて首を傾げてお前がとても嬉しそうに笑うもんだから、つられて笑って「そうかもな」と答えてやった。すると、調子に乗ったコプチェフが


「じゃぁさ、最後に躯で確認しよか?」


 なんて言ってくる。いつもだったら"ふざけんな!"と怒鳴るとこだけど今日だけは付き合ってやることする。

 だってそうだろ?
もし、お前に会えなかったら。もし、お前に恋人がいたら。沢山の"もしも"から選ばれたのが俺なんだから。

 近づいてくるコプチェフの影。その温もりに俺はそっと瞼をとじた。









 なぁもしも、このまま傍に居たいってだなんて言ったら、お前はなんて答えるかな?






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 お久しぶりの更新でした!
書きかけのまま保存されてたのでサルベージ。うちの運狙は相変わらずの様です(笑)

しかし久しぶりすぎて書き方忘れてますね。ヤバいです…
リハビリぇ…
とりあえず、もうちょっと頑張ろうと思います!



2013.08.21



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