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□再会
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赤緑+弟
勝手にSeason4捏造話
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『再会』
そのビルが襲撃されたのは約一ヶ月前。そしてその空きビルを買わないかという話を持ち掛けられたのが半月前。暫し思案したが、ビルの惨状を差し引いてもあの場所は悪くはない。
そう思い、そのビルを物見遊山がてら視察しに来たのが今日。
しかし……
「おい、お前。これはどういうことだ?」
辿り着いた建物の前。
キルネンコは話を持ち掛けてきた不動産屋を冷めた赤い目で睨みつけた。
睨みつけられた不動産屋の男は、『ヒィッ』とか『ウゥッ』などの意味のわからない短い悲鳴をあげ、禿あがった頭を抱え込みながらしどろもどろにこう言った。
「じ、実は、あの襲撃の後から妙な二人組がここに住み着いておりまして…」
流れる落ちる汗をハンカチで必死に拭いながら男は話を続ける。
「何度か立ち退く様に働きかけたのですが、何分、相手もなかなかの兵らしくですね… 私どもではどうにもできませんで」
「それで俺に話がきた訳か?この俺にゴミ掃除をしろと?随分と虫の話だな不動産屋」
「いぇ、あの、そのようなことは…」
モゴモゴと口ごもりひたすら汗を拭う男をフン、と鼻で笑いキルネンコはビルだった建物を見上げた。
若干、住人によってアレンジされているこの建物。前の持ち主の趣味も相まってどこか歪つで奇妙な形をしている。ハッキリ言って趣味が悪い。
まぁ、人が住んでいようがいまいが関係ない。まして、ソイツがどんなに強かろうが所詮自分に敵いはしない。出て行かないのならば叩き出してしまえばいいだけこと
どうせ壊してしまうのだからと、キルネンコは玄関らしき扉を蹴り破った。
立ち上がる土埃を気にもせずキルネンコは室内へと踏み込む。
見渡した室内は外の外観に負けず劣らず奇妙だった。
レンチやスパナの工具とガラクタが納まった左側と、シューズが入っていると思われる箱が騒然と並べられ、綺麗に飾られたスニーカーが納まっている右側。そして部屋の中心には犬とおぼしき巨大な鉄クズ。
(何だ、この部屋は…)
呆れ果てていたキルネンコの目に次に飛び込んできたのは、鉄クズの後ろから覗く二つの目だった。
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