特殊系置場

□KISS ME
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隣で眠る愛しい存在。
眠りを共にするようになって随分と経つが、滅多に拝めない寝顔を眺める事のできるこの一時は何よりも楽しい。
普段なら、顰められて皺を刻んでいる事が多い眉間が穏やかなのは自分を許してくれている証の様で。

「ん…」

もぞりと身じろいでから、重々しく持ち上げられた瞼の下にある対の琥珀がまどろみながらもこちらを捕らえる。
これもまた、日常ではありえない姿だ。
それよりもありえないのが―――

「きよまさ」

伸ばされた腕の意図を悟って、思わず口許が緩んだのは仕方ない。
腕をすり抜けて、薄く開かれた唇に口付ける。
ちゅ、と啄むだけのものだが、顔を離して見下ろせば満足げにふわりと笑う恋人の顔。

「おはよう」

紡がれた四つの音と同じ音を返して、また1日が始まる。




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