長編

□第4話『ずっと隣に』
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その日から清正が来ると、三成とは籠の外に出て話す様になった。
清正が帰る時にはきちんと籠の中へと戻り、それを確認してから清正もねぐらへと戻る。
それを知ってか、三成の飼い主の女性は特に何も言って来ず、時たま窓からこちらを眺めている姿は見られたものの、それだけだった。
安心して三成を預けてくれているだろうかとさえ思う。

今日も二羽は身体を寄せ合って温かい日光浴を愉しんでいた。
清正の隣の三成は、眠いのかうとうとしているらしく、寄り掛かってくる重みで分かる。
こんなに安心しきった姿が見られるようになるなど、最初の頃は思わなかった。

肩に三成の温もりを感じながら、清正は以前から聞こうと思っていた疑問を何気なく口にする。

「なぁ、三成」

「何だ?」

呼び掛ければ眠そうな声の返事が帰ってくる。


「お前は……人が憎いと思った事は無いのか?」


三成は目を開き、清正を見上げる。

すっかり目が覚めたらしく、驚いたように何度か目を瞬かせていた。


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