頂き物
□アヤ様から
1ページ/4ページ
あ…雪…
寒い東北では冬に雪が降るのは当たり前
だけど、今まで京にいた私にとっては嬉しくてたまらない
「一さん、大丈夫かな…」
私はあの日、無理を言って一さんと一緒に仙台にとどまることに決めた
反対されたり、一さんに怒られたりもした…
だけど、私はどうしても一さんのお傍にいたかった
負け戦になると思われていた仙台での戦も無事に終わった
そして、私と一さんは静かな村で二人の生活を始めた
ガチャ
斎藤
「ただいま…」
「一さん!おかえりなさい!」
私は玄関へ走っていった
洋装をやめ、和服にもどった一さんはなんだか落ち着く感じがする
斎藤
「葵、わざわざ出てこなくても…葵が風邪を引いてしまう…」
一さんはいつも私のことを思ってくれている
「大丈夫ですよ!それより、一さんの方が風邪を引いてしまいます」
一さんの頭には雪が少しついている
斎藤
「心配は無用だ……だが、心配してくれるのは嬉しい…ありがとう…」