ひぐらしのなく頃に 長編アンソロジー
□第4章 異変と疑心
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「よっしゃあああッ!」
圭一は全力で叫ぶ。
こらえきれないのだ。
「部活部活、そう部活だぜッ!!」
セーラー服を着せられた一昨日以来、圭一は借りを返したくて仕方ないのだ。
「圭一くん、すごいやる気だね。レナも負けないよぅ〜」
「悪いな、今日の俺は誰にも止められないんだ。今のうちに心づもりしておいた方がいいぜッ?!」
「圭一さんのくせに生意気ですわ〜〜〜!!」
なんだと?! と圭一と沙都子がいがみ合う。
その間を魅音が割って入る。
毎度のことながら、
チッチッチ、と不敵な笑みを見せながらだ。
「残念だけどねぇ〜、二人がどれだけ頑張ろうとムダムダ。おじさんが勝っちゃうからね!!」
「そうはさせねぇぞ!!」
「そうはさせませんわ!!」
ムキになって怒鳴る圭一と沙都子を見て、レナがあはは、と楽しそうに笑う。
「圭一くんと沙都子ちゃん、息ぴったりだねぇ〜」
「そっ、そんなことありませんわよッッ」
ワイワイと騒いで、楽しくて賑やかなひととき。
圭一は不思議な感覚だった。
雛見沢に来たのも、
部活に参加したのも、
最近のことなのに、もう何年もこうしているような気がして仕方ないのだ。
そう、もう既にこのメンバーが近くにいるのが当たり前になっていた。
部活だって、1日なければ物足りなくなるのだ。
そんなことを考えて、圭一はなんとなく心がくすぐったくなっていた。