ひぐらしのなく頃に 長編アンソロジー
□第1章 最悪の奇跡
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前原圭一……彼が雛見沢が引っ越してきてから、一週間ほどが経った。
すぐに部長である園崎魅音の誘いで部活メンバーに加わり――今ではすっかり、昔からいたかのような馴染みようだ。
「また今日も罰ゲームかよー。初心者相手にちょっとは手加減しろよな」
罰ゲームの女装をしながら下校中の圭一が、顔をしかめながら言う。
ちなみに服は魅音チョイスのセーラー服。
「お揃いだねぇ〜」
と魅音に言われてから、レナも照れたように顔を真っ赤にさせている。
しばらくは戻ってきそうにない。
けけけ、と笑いながら魅音が圭一の肩をつつく。
「あれぇ〜? 女の子の相手に手加減頼んじゃうんだ〜 こりゃ出来る男だと睨んで部に勧誘した私の見込み違いだったかねぇ」
笑顔で便乗する北条沙都子と古寺梨花。
「まったく、聞いてて恥ずかしいですわよ、圭一さん」
「都会育ちのもやしっこさんには厳しい世界だったのですよ、にぱ〜☆」
ぽわぁ〜となっていた竜宮レナも復活したようで、いつもの笑顔に戻っている。
「次からは手加減してあげるべきなのかな? かな?」