ひぐらしのなく頃に 長編アンソロジー

□第4章 異変と疑心
3ページ/18ページ

――翌日の学校にて。



「昨日はありがとな、梨花ちゃん。沙都子もだ」



圭一は梨花と沙都子の頭をわしわしと撫でる。


そこへレナが、不思議そうに首を傾げて彼に問う。


「…圭一くん、昨日ってなにかな? かな?」


その問いに答えたのは、圭一とレナの間に割って入ってきた魅音だ。


「おじさんは知ってるよ〜。圭ちゃんってば、昨日の夕食を梨花ちゃんにご馳走してもらったらしいよ。おじさんを差し置いてさぁ〜」


「そっ、そうなの?!」


レナはあたふたとしながら、潤んだ瞳で圭一の目を見つめる。


やましいことなど微塵もないはずなのに、彼は思わずそらしてしまう。


ううう、とレナは瞳をさらに潤ませる。


「くっくっく、私は園崎家次期当主、園崎魅音様だよ? この村のことならなんでもお見通しなのさ。さっ! 覚悟しな、圭ちゃん!」


自信満々に圭一を睨みをきかせてくる魅音だが、彼は逆に呆れる。



「お見通しって…、まったくよく言うぜ。どうせ詩音に聞いたんだろ?」



「あはははッ」


魅音はいやぁ〜、と頬を掻きながら笑っている。


笑ってごまかすつもりらしい。


「で、詩音はもう興宮に帰ったのか?」


「まあね。でさ、今日の部活はなにがいいかなぁ〜、くっくっく」



ヘラヘラしながらのんきに笑っているところを見ると、昨夜は詩音と楽しく過ごしたんだとわかる。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ