『principessa insanguinata』
□第7夜
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ゴォォオオ!!
「凍っちゃった…!」
急に現れたAKUMAは、この街に来たばかりときに戦った、例のAKUMA。
その中の一体が口から何かを吐き出せば、一気に私たちの居る路地は凍りつき、氷点下の世界と化した。
「さ…寒っ!」
『アレン……コート置いてきちゃったんでしょ』
「そういう奏だって忘れてきてるじゃないですか」
『あはは、まぁね』
リナリー、アレンと背中合わせになってAKUMAと向かい合いながら、私たちはそんな雑談をして見せる。
AKUMAが言うにはここは氷点下100度の世界。
『さぁ!ここは集中してAKUMAを倒して、ミランダを助けに行きましょーか!!』
私のその台詞と共に三人は飛び出して、各AKUMAとの戦闘を始める。
『……【紅ノ歌姫】…第2開放!』
私が言霊を唱えれば、目の前にいたAKUMAに薔薇の紋様が付いた氷のつぶてが突き刺さり、其処から十字架が現れ、一体のAKUMAが薔薇の花びらへと姿を変えた。
しかしそれでもAKUMAはあと4体。
それに前回よりも連携した攻撃。
『…っ!』
視界の端でアレンが倒れ、リナリーが3体に囲まれて居るのが目にはいる。
しかし私の目の前にも一体のAKUMA。
なんとか助けようと意識を此方に向けた瞬間。
ツン、と鼻を刺すような香りがしてきて、それがAKUMAが放つ香りと気が付いたときには体は動かず、大きな衝撃と共に体が空中に浮く感覚を覚えた。
『ぐぁっ…!』
リナリーやアレンはどうなったか、そんなことを考えて、飛ばされた先で立ち上がろうとするが、かなり飛ばされたらしく、近くに二人とAKUMAたちの姿は見当たらない。
若干エコーのかかった衝撃音が聞こえると言うことは、やはり少なからず離れているのだろう。
『〜〜!!アバラ…何本かイッたかも…』
あまりの胸の痛さにそんな自嘲じみた笑みを浮かべて、衝撃音がした方向へ足を向けると…何処からか声が聞こえてきた。
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