『principessa insanguinata』
□第6夜
1ページ/5ページ
「『これは何?』」
見事にハモったのは私とリナリーの声。
目の前には……アレンが書いた……
その…なんて言うか…
画伯?
「…すいません」
「すみませんじゃない!どうして見失っちゃったの!?」
「凄く逃げ足早くて…この人。でもホラ!似顔絵!こんな顔でしたよ!」
怒るリナリーも可愛いな、なんて私の感想はさておき、アレンの意外な美的センスに驚愕しながらも私は話を進めた。
『でも、こんなことなら二手に分かれずに調査、もしくは私がアレンに着いていくべきだったかねぇー…』
「昨夜退治したAKUMA…確かにその人に“イノセンス”って言ったの?」
「はい。道に迷って路地に入り込んだら偶然見つけて…。運が良かったです。多分今回の核心の人物だと思いますよ」
『アレン……次からはリナリーか私のどっちかと一緒に調査しような』
ガツガツとご飯を食べているアレンに向かってそう言えば、アレンはエヘヘ、と軽く笑う。
「リナリーと奏の方はどうでした?」
「んーー…コムイ兄さんの推測はアタリみたい。アレンくんとこの街に入った後、すぐに引き返して街の外に出ようとしたんだけど……」
『どういうワケか気付くと街のなかに戻ってるんだよねぇ。街を囲む城壁も何ヵ所か壊して試してみたけど無理。穴から出たと思ったら街の中に戻されてた。私のイノセンス探知能力もここではフィルターみたいなのがかかってて、リナリーとアレンの、今まで探知した事のあるイノセンスしか無理みたいだし…』
「あ、それじゃやっぱり……」
私とリナリーの説明を聞いてアレンは若干冷や汗を書きながら言葉を放ち……。
私はそれに笑顔で答えた。
『そ。私達は閉じ込められて出られないってワケ』
.
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ