『principessa insanguinata』

□第6夜
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「『これは何?』」



見事にハモったのは私とリナリーの声。
目の前には……アレンが書いた……

その…なんて言うか…画伯?



「…すいません」

「すみませんじゃない!どうして見失っちゃったの!?」

「凄く逃げ足早くて…この人。でもホラ!似顔絵!こんな顔でしたよ!」



怒るリナリーも可愛いな、なんて私の感想はさておき、アレンの意外な美的センスに驚愕しながらも私は話を進めた。



『でも、こんなことなら二手に分かれずに調査、もしくは私がアレンに着いていくべきだったかねぇー…』

「昨夜退治したAKUMA…確かにその人に“イノセンス”って言ったの?」

「はい。道に迷って路地に入り込んだら偶然見つけて…。運が良かったです。多分今回の核心の人物だと思いますよ」

『アレン……次からはリナリーか私のどっちかと一緒に調査しような』



ガツガツとご飯を食べているアレンに向かってそう言えば、アレンはエヘヘ、と軽く笑う。



「リナリーと奏の方はどうでした?」

「んーー…コムイ兄さんの推測はアタリみたい。アレンくんとこの街に入った後、すぐに引き返して街の外に出ようとしたんだけど……」

『どういうワケか気付くと街のなかに戻ってるんだよねぇ。街を囲む城壁も何ヵ所か壊して試してみたけど無理。穴から出たと思ったら街の中に戻されてた。私のイノセンス探知能力もここではフィルターみたいなのがかかってて、リナリーとアレンの、今まで探知した事のあるイノセンスしか無理みたいだし…』

「あ、それじゃやっぱり……」



私とリナリーの説明を聞いてアレンは若干冷や汗を書きながら言葉を放ち……。
私はそれに笑顔で答えた。



『そ。私達は閉じ込められて出られないってワケ』





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