ONE PAGELEAF STORY

□01.アナザー・ワールド!?
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不思議な扉を開いてみると、不思議な所へたどり着いた。


「何コレ 何コレ 何コレ!?
っていうか、ここはドコですか!!??」

大声で絶叫する私の周りには矢印のついた木や巨大なキノコが生い茂っている。

「意味分かんない!!!」

先刻まで“自分の家”の“自分の部屋”に居たはずの私はすでに半狂乱だ。
よって、後ろから近づいて来る足音に気がつかなかったのもしかたないだろう。

「はっ!! そっ、そうだ入って来たドアから戻ればいいんだ!!」

私って頭いい♪
そう思い身をひるがえした瞬間、

「うわっっ!!!」

「うおっと!」

ふわふわでモコモコした何かに顔をつっこんだ。

「な…何!?
というか、誰? えっ…ネコミミ?」

テンパリながら顔を上げた私の前にはピンクでパンクな猫耳少年が立っている。どうやらその少年の持っていた襟巻き(?)に突っ込んだらしい。

「誰って、それはこっちが聞きたいんだけど…っと、まあいいや。」

そう言ってよろけていた私を立たせてくれる。

「あ…ありがと。」

「どういたしまして♪
俺はボリス=エレイ。ボリスでいいよ。」

笑いかけるボリスの顔は耳のせいか本物の猫のように見える。

「…で、あんたは?」

「私はリンだよ。」

「ふーん、リンか…」

急に黙ってしまったボリスは私の顔をまじまじと見ている。

「な…何…ですか…?」

「? 何で急に敬語…?
それより、あんた顔があるってことは役持ちだろ?見ない顔だけど…」

「…役…持ち??」

聞きなれない言葉に戸惑っていると、ボリスは何かに気づいた様だった。

「役持ちを知らないって…
あんたもしかして余所者!?」

「余所者???
えっ? えっ?? それ以前にココってドコ??」

「ここはクローバーの国だよ。
…俺、アリス以外の余所者見たの初めてかも…」

あからさまに珍しい生き物を見たという顔のボリスは私から視線を逸らさない。

「…私は天然記念動物かっっ!!
って、そんなことよりクローバーの国って、ここ外国?でも言葉は通じてるよね??」

「うーん…、あんたの居た世界じゃないとは言えるけど、外国とはちょっと違うかな?」

曖昧な返事に余計ギモンが増えていく。

「そういえばあんた、さっきドアの森に行こうとしてただろ?」

“ドアの森”そう聞いてすぐに自分が入って来たドアだらけの空間を思い出す。ドアが話しかけてきたので慌てて逃げてしまったが…。

「あそこにはあんまり近づかない方がいいよ。特にこの世界に来ることが出来るような余所者はね。」

「? それってどういう…」

話の意味を聞こうとした時、突然ボリスの耳がピンと立った。

「おっ、ネズミ発見!!
じゃあリン、悪いけどまたな!!」

早口にそう言うと木々の間へ消えて行った。
ボリスの向かった方向からは、「ギャー!」とか「にゃんこー!!」とか言う声が聞こえてきたが、ここはあえて無視することにした。

(うーん、面倒事は嫌だしね。)




……to be continuance

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