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□The Girl just wanna have fun
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「ねー雅刀、プール入ろうよ。」

「…子供じゃあるまいし、水遊びなんてするか。」


「せっかくの南の島に来たのに、雅刀ってば寝転がってるだげじゃない。」


「…寝転んでるんじゃない。
俺は、何もしないを楽しんでいるんだ。」



「なにそれー!意味わからない。
何もしないなんてもったいないじゃない。」


「これが、大人のバカンスの過ごし方だ。
まああんたにはまだまだわからないだろうけどな。」



「うわっ!なにそれ!
雅刀がただおっさんなだけじゃない」









「おっさんって言うな。
あんたが子供なだけだ。」


「ムカつく。
じゃあいいよ。
ひとりで泳いでくる。
あ…じゃあ
ん、しょっ…と…よし!
雅刀、これ持ってて」


「…ってお、おい…っ!!!」


「なに?」



「なに、じゃない!
何をしているんだあんたは?!


「だから、なんのこと?」


「そ、その格好…」


「水着?かわいいでしょ?」


「そんなことあたりま…

…って違う!
ななな、なんて格好をしているんだ!」



「え?
ああ、パーカー?

だって邪魔なんだもん。
せっかくのこのかわいい水着も台無しだし。
だから持ってて雅刀。」





「………!!
は、肌が焼けるから着ておくって言ってただろう?!
そんなに肌を晒け出すなんて
ふっ…ふしだらにも程がある!」



「ふしだらって!
雅刀あたま固すぎ!

やっぱり少しは焼けなくちゃ南国来たかんじしないじゃない。
それに上着て泳いでる人なんていないよ?」


「そ、そうい…


「じゃ、雅刀後でね!
お腹空いたら戻ってくる!」










そう言って真奈は軽やかに身を翻し、
ひらひらと手を振りプールへと走ってゆく。

俺はそんな真奈の手を
咄嗟に掴んでいた。





「…っと…びっくりした!
雅刀?どうしたの?」



「……。


……俺も行く。」



「え?ほんとに?!!」


「ああ…。」

「なんでもない。
たまには泳ぐのも悪くないと思った。
…それに、ここのプールは深いだろう。
あんたに溺れられても面倒だからな。」


「水深110CMって書いてあるけど?」



「…う、うるさい。
……ほら、早く行くぞ。」


「わーいやったぁ。」













七色に光る太陽の光に負けないくらい
喜んではしゃぐ真奈は
きらきらときらめいて
まるで空から降りてきた夏の精のようで
手を離したら消えてしまいそうな気がする。




俺の中に閉じ込めて、誰の手も届かないところへ隠してしまいたくなる。
真奈を見る男どもを背中で威嚇する。
真奈の身体を見ていいのは俺だけだ。




なんて…
一番子供じみてるのは
俺なのかもしれないな。

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