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□始まる、その時に
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扉から入り込む光で目が覚めた。
私また寝入っちゃったんだ。
あれ、瑠璃丸君とお猿さんがいなくなってる。
お仕事かな、とまだうまくまわらない頭で考えていた時首筋に風があたってびっくりした。





…ちょっと待って。


私はまだ秋夜に後ろから抱きしめられている状態。
さっきまでは瑠璃丸君がいたからほのぼのとした家族みたいな状態だったけどさ。
さすがに二人きりでこの状況は気まずい!!!
こんなことを考えてしまう私の熱はもう完治したのだろう。
いや今度は違う意味で熱くなってきたんだけど!!!!!

「ん…」
すると耳元で秋夜の寝息が聞こえてきた。
わたしの体温はさらに急上昇で。
心臓もバクバクいってうるさい。
起きて秋夜、いや今起きられるとどんな顔していいのかわからない?
とりあえず落ち着いて!!落ち着くのよ私!!
どうしたらいいのかと狼狽しているとふいに腕の力が強くなり私の体は硬直してしまった。
すると後ろから秋夜の声。
なんてタイミング!!

「ん…みつかい、さま、だいじょうぶか??
なんだかすごく…あつくなっている、くるしいか?みつかいさま」
秋夜は寝ぼけながらも心配してくれているらしい。
それはすごくありがたいんだけれど、でも!
でも、この体の熱さは秋夜のせいだから!!!と叫びたかった。
「あ、あのね、秋夜、わたしね…」
しどろもどろになって慌ててもがいていると、秋夜の顔がわたしの首すじに、もろに触れてしまって。
「ひゃっ!!!!!」
わたしの心臓はさらに速さを増す。

あまりのことに変な声を出してしまった。
その声で目を覚ました秋夜は私のドキドキに気づいて、すぐに手を私の頸動脈にあて脈を測る。
「…鼓動が異様に早い!御使い様、どうした!?どこが苦しい??」
…ドキドキがばれてしまった。
ひんやりした秋夜の手に首すじを触られ、私の脈拍はどんどん最高値を更新している。
「なんでこんなに。御使い様、大丈夫か??!!」


…しかも勘違いされてる。
このままじゃいろいろ大変だ!!!
おもに私の心臓的な意味で!!!!
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