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□目覚めて、幸せに触れる日々
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朝はいつも勘助がシャワーを浴びている間に
私は簡単に身支度をして、そして朝ごはんを作る。



だいたい週の4日が和食で、残りの3日は洋食。
冷蔵庫の中身と相談した結果、今日は和食にすることにした。


メニューはだし巻き(みたいなもの)と昨日の夜ごはんの残りの煮物と小松菜のお浸しとお味噌汁。


冷蔵庫から煮物を出し火にかけ、
残念な仕上がりのだし巻きをお皿へ移す。





結婚するまであまり料理をしてこなかったせいか、私はすっごく手際が悪くて、
残り物を使った、たったこれだけの料理にも時間がかかってしまう。



時間をかけてゆっくりとひとつひとつ作れる夜はまだしも
時間の限られている朝ごはんは必死。
毎朝自分を励まし時間と戦いながら作っている。



もう7時半。
早くしないともう勘助が上がってきてしまう。


「よし、がんばれ私!」



お味噌汁用の大根を刻み、鍋に水を張り火にかける。

その間に小松菜をステンレスのボールに入れて水洗いする。

うん、私にしては手際がいい!
火にかけた煮物から、いい匂いがし始める。
うん、いい感じ。















「いい匂いだな」


いつの間にかシャワーから上がっていた勘助がやってきて
私を後ろから抱き締める。


「勘助。
ごはんもうちょっと待ってね」


台所に立つ私に抱きつくのが最近の勘助のお気に入りみたいで
シャワーを終えるといつもこうして私の身体を抱き締めに来る。

まだ少しだけ濡れている白い髪からは、
シャンプーのいい香りがする。

「…ああ、構わぬ。」


勘助は子猫がするように
鼻先を首に擦り付ける。

「勘助…ふふっくすぐったいってば。」


勘助は首筋の上の方から、ちゅっちゅっとキスをおとしてゆく。
やさしくキスしたり少しだけ強く吸ったり…


朝から愛を感じられるこの時間が、私も大好きだ。










「…えっ…ちょっ…」


いつもはこの程度で終わるはずなのに
腰を抱いていた勘助の手が徐々に
私の身体をまさぐりだした。




「ちょっと…勘助…?」

「なんだ?」


勘助は何ともないように答える。

そしてその手はエプロンの上から私の胸を優しく掴んで、
手のひらで揉み始めた。



「ちょっ、と待って‥…っ」

想像してなかった事に
手に持っていた小松菜を落としそうになってしまう。

もちろん私の制止を聞くわけもなく
私の胸を弄ぶ。


「ねぇ支度…しなくちゃ」

「ああ、頼む。」

そう言いながらも勘助は
片手で胸を揉み、
私の耳に舌を這わせる。


「…んっ…」


耳が弱いことを知ってる勘助はじっくりと耳にキスをする。
耳たぶを甘く噛み、
耳の窪みに沿って舌先をちろちろと動かす。



その刺激と濡れた舌と勘助からこぼれる吐息に
思わず甘ったるい声をあげてしまう。



「あ‥んっ…ねえ‥朝だか、ら…っ」

「…だから何だというのだ?
夫婦が愛し合うのに時間など関係ないだろう。」


耳元で囁かれ、再び耳たぶを噛まれる。

「あっ…んっ…っ…!」

そうしてる間も止まない胸への愛撫。
揉まれる度に胸の尖端がブラジャーのカップからずれて服に擦れ…
直に触られるのとは違う刺激に頭が…朦朧としてくる。



「…‥んっ‥
ねえ‥勘…助っ…ほんと…に支度‥できない‥から…」


身を捩り、少なくなった理性でなんとか抵抗する。



「安心しろ。」

勘助は愉しそうに笑いながら私の手を取ると
そのまま私の手を勘助自身へと導く。


「…オレの支度ならとうにできているぞ。」

掠れた声で耳元で囁く勘助。
ジーンズ越しに触れた勘助自身はもうすでに硬く、大きくなっていて…


「バカっ‥おっさん…みたいな事、言わないで。」


口ではそう言いながらも、
それに与えられる快感を知ってる私の女の部分は、その大きさと硬さに喜び、疼き、
背中に触れる勘助自身を待ちわびるように
いやらしく熱いとろみを溢れさせ潤んでゆく。




勘助の指が徐々に硬くなってきた尖端を
服の上から摘まみ、爪弾く。

「あっ‥や‥んっ…‥っ!」

「だが…そんなおっさんに触られて
朝からいやらしい声を上げてるのは誰だ?なぁ真奈」

私の頬を舌で舐めあげながら意地悪く耳元で問う。


「や…」

耳に直接流し込まれるその声に、耳を塞ぎたくなる真実に
身体がどんどん熱くなってゆく。




エプロンの上から胸に触れていた左手はいつの間にか服の中へと侵入し、
完全に勃ってしまった私の乳首を
指で楽しんでいる。

「…ああ…んっ…っ!」

もう声を我慢することなんてできない。



「…いい声だ…」

熱に浮かされたように呟くと
勘助の右手はお尻から太腿のラインをなぞり
スカートを一気にまくりあげる。

「や…っ!」


「お前の支度もオレが手伝ってやろう」


これ以上はダメ、そう思うのに自然に腰をつきだしてしまう。

勘助は太腿に舌を這わせる。

「はぅ…ぁん…っっ」

ちろちろと、動く舌。
秘部の近くまで行っては帰りを繰り返す。

「…あ‥あっ…‥んん…!」

目を閉じて舌の動きだけを感じる。
もどかしくてもどかしくて
早く早くそこに触れて欲しい…
そう思った時…








シュウゥゥゥ〜っっ!!!!
と空気を引き裂くような大きな音がした。



「あ!いけない!!!」


その音と焦げたような香ばしい匂いに一瞬で我に返る。

火にかけていたお味噌汁が沸騰し、盛大にコンロに吹き零れたのだ。




「あー、やっちゃった…。
って今何時!?」

「…48分…だ。」

勘助はため息まじりにちいさく答える。


「ええっ!!!大変!!!」



やばい!こんなことしてる場合じゃない。
急いで服を整え、やるべきことに戻る。


「勘助、早く座って!
早くごはん食べないと!
遅刻しちゃう!」

「…ああ。」


途中になってしまった小松菜はもう諦めて夜ごはんにまわす。
私はごはんを茶碗に盛りながら
もの言いたげにコンロを眺めている勘助に声をかける。


「ほら、早く!!」

「……ああ。」



























「…空気を読め、味噌汁…」



 
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