人間不信者 小説
□二
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あの後、屯所という場所についた
もう夜遅いからということで、明日の朝いろいろするらしい
斎藤さんがすまないと言い、縄で縛りながら教えてくれた
縄で縛るのは逃げられないようにするためらしい
逃げるつもりなんかないのに…
一人になった部屋で考える
もう行くところ無くなっちゃったなぁ…
故郷には帰りたくなかった
否、帰れなかったのだ
帰ったとしてもなまえは裏切り者として扱われるだろう
裏切ったのはあいつらなのに…っ!
ぎり…と奥歯を噛み締める
そしてなまえは忘れようとするかのように頭を振り、目を閉じた
それはまるで、現実から逃げるように………
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