星狐・スマブラ

□残された者
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スマブラ城を後にする一匹の狼
その後ろから追いかけてくる少年


「おじさん!!
待ってよ、ウルフおじさん!!」


「……」


少年の声を無視して歩く狼


「おじさん、聞こえてるんでしょ!?
なんで止まってくれないの!!」


はぁ…はぁ…と息を乱しながらも、少年は走り出す


「ウルフおじさん…うわっ!?」


ドテッ!!と激しく転んだ緑の少年は土を強く握り締めた




「おじさんの卑怯者!!
お別れの挨拶ぐらいさせても良いだろ!!」


うぐっ…と吃逆を上げながら涙を溢す少年
そんな少年にスッ…と手が差し伸べられた


「おい、早く立て」

全く…男が泣くもんじゃねぇよ…と狼は呟きながら少年を起こした



「ありがとう…おじさん……」

服に付いた土を払い落とし、狼と視線を合わせる少年


「ウルフおじさん…僕、おじさんの分まで頑張るから!!」

「あぁ」

「おじさん…また、遊びに来てくれる…よね?」

「さぁな」


少年は泣きそうになるのを押さえて、狼に言う

「僕、ウルフおじさんのこと…絶対に忘れないよ!!
おじさんは誰よりも優しい人なんだって…知ってるから!!
だから…だから、おじさんも僕のこと忘れないで!!」


さようなら!!と少年は狼に背を向け、城に向かって走り出す
はぁ…と深いため息をついた狼は再び歩きだす


「フォックスの野郎…あれだけアイツには言うなつったのに…余計なことしやがって」


狼はまた深いため息をつく

「トゥーン、俺様の分まで強くなれよ」



ありがとうな…と心の中で呟く狼は自分の世界へと帰って行った


End...

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