*Shiki* 3巻

□第67話
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イリル「精霊様が力を貸すことができる人間は一人だけ。別の人間が力を借りたい場合は、今現在力を借りている奴を消すしかない。そしてお前が消え、私がルクスの後を継ぎヘルボスを封印する。『虹の断片』も私が扱う。お前なんかにこの使命を負う資格などない」

ハルキ「一応聞くけど、俺が死ぬ以外に力を借りられる方法はないの?」

イリル「ないね」

 イリルは再び斬りかかってきたが『虹の断片』で剣を受け止めた。
 2つの剣が太陽の光を反射して輝いた。

イリル「お前本来の力で来い。精霊様の力は借りるな。どっちがルクスの後を継ぐのに相応しいかを決めようじゃないか」

ハルキ「嫌だよ! 仲間同士で戦うなんて……」

イリル「だからッ! お前は私の敵なんだよ!」

 イリルは砂を蹴り上げた。
 そしてそれに対してハルキが少し身を退いたところを見計らって『風』の魔法で吹き飛ばした。
 ハルキが起き上がろうとした時には既に目の前まで迫っていた。
 速い。どんだけ足が速いんだ。砂浜だぞここ。足がズボズボなるだろうが
 しかし答えはすぐに分かった。さっきいた場所の地面がやたら凹んでいる。何か魔法を使っているな。
 
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