*Shiki* 3巻
□第69話
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夜、ハルキは城の外で空を見上げていた。空には満天の星が輝いていた。
横には赤いひよこのような姿をした聖獣スザクがいた。スザクはルクスの魔法書を眺めている。
ハルキ「ねえ、小鳥さん」
スザク「うるせえよ馬鹿野郎。私はルクスの本を見ていて忙しいんだ。しかも新たな呼び名を開発しやがってこの野郎」
ハルキ「だってひよこって言うと怒るでしょ?」
スザク「あったりまえだろうがボケ。だがその呼び名も非常にムカつく」
ハルキ「チュンチュン」
スザク「死んでくれ! 安らかに死んでくれッ! 是非とも逝けッ!」
ハルキ「それはさておきだね、スザク」
ハルキはスザクの叫びをさらりと流した。
ハルキ「俺さ、もう少ししたら元の世界に帰れると思うとすごく嬉しいんだ」
ハルキは『精霊の鏡』を取り出してスザクに見せた。
ハルキ「でもね、たまに思うんだよ。こっちの世界もイイなぁ、って」
スザク「帰りたくないのか?」
ハルキ「いや、帰るけどね」