*Shiki* 3巻
□第71話
1ページ/11ページ
出航から4日目。今日の見張りはハルキとナツメとレイの三人だ。
どうにもナツメとレイの仲が悪く、ハルキは居心地悪い思いをしていた。
ハルキは仕方なく仲裁に入った。
ハルキ「なんで仲良くできないかなぁ。理由を話してみなさい、理由を」
ナツメ「なに偉そうにしてんのよ。まあいいけど。わたしはね、こいつが嫌いなの。憎いの。一緒にいたくないの」
ハルキ「なんでよ。もしかしてマッチョさんを殺そうとしたから?」
ナツメ「当たり前じゃない」
レイは暗い表情で俯いたまま黙っている。
ハルキ「そういやマッチョさんはどうなったの? 元気?」
ナツメ「まあね、元気になってなによりよ。でもね、ヘタしてたら死んでたんだからね! 兄貴が死んでたら、わたしはこいつのことを殺してやろうかと思っていたぐらいよ! ふざけんじゃないわよ!」
ハルキ「ナツメ、ちょっと落ち着きなよ。ソンチョさんもダークエルフに殺されたから辛いんだろうけども」
レイ「……ごめん……なさい……」
レイは聞こえるか聞こえないかわからないぐらい小さな声で謝った。