Smile*2
□Smile*2
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「あ、なんで捨てるのよ! 昔の地図でも周りの地形ぐらいはわかったのに……」
「え? あ……ええぇ! わ、悪い……」
「あーあ、もう使い物にならない……」
リベラルは散らばった地図の残骸を拾いながら呟いた。
辺りは真っ暗になった。夜だ。月がぼんやりと光っている。
俺とリベラルは雨風が防げそうな建物の跡で焚き火をしながら夕食をとることにした。
「シオン、明日からどうするの? 地図がなくなったのは致命的だよ」
リベラルが夕食の魚にかじりながら聞いてきた。
本当にどうしようか。俺たちは村の外になをか出たことがないから、周りにどんな町があるかなんてわからない。
それに来た道すら覚えていなかった。