*Shiki* 3巻
□第62話
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汽車の中は豪華としか言いようがなかった。床一面に敷かれた赤い絨毯、光り輝くシャンデリア、壁にかけられているなんなとなく凄そうな絵画などなど。一般人のトウゴとリョウコは変なため息をついてしまった。
しかし乗客をよく見てみると旅人らしき人物が多かった。セレブな雰囲気を持つ人なんかあまり見当たらない。汽車の旅を楽しむというより、交通手段として広く使われているんだなと思った。
トウゴ「うっ……!」
リョウコ「どうしたの?」
トウゴ「あれ……」
トウゴが指差した先にはサングラスをしたスキンヘッドの黒人がいた。マフィアか、と思うほど見た目は怖い。だが、可愛らしいピンク色のふんどし一丁だった。変人かと思ってしまった。