*Shiki* 3巻
□第62話
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あ、こっち向いた。怖い。でも妙に滑稽だ、ふんどし一丁だから。
見てる、誰かを見てる。視線の先は……ナツメ? ナツメを見てるの? ナツメ本人はどこか気まずそうな顔をしている。
あ、こっちに来た。なんだ、素晴らしく綺麗な歩き方だ。ファッションモデルがステージを歩くかのような歩き方だ。だがそれが逆に怖い。
そしてナツメの前まで来て止まった。
黒人「お前、あの小僧と一緒にいた奴だよな?」
ふんどし黒人がそう言った。二人は知り合いなのか?
ナツメ「……ハルキのこと?」
黒人「そう、ハルキ」
ハルキを知っている? まさかハルキ……、マフィアに喧嘩を売ったのか? あいつ……馬鹿か。