*Shiki* 3巻
□第68話
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そうだな、とりあえず相手の動きを止めてみよう。
時間を止める魔法は……無理。まだ俺には扱えるようなもんじゃない。すぐに魔力枯渇ってのになっちゃう。
じゃああれだ。いつだか使った糸を出す魔法。あれでギュッと縛ってやる。
と思った矢先に黒く細長い光線が飛んできた。しかしなんとか避けられた。
シドゥマ「何がしたいかわからないけど目障りよ。少し静かになさい」
続けて二発三発と光線が飛んできて逃げることしかできなかった。
イリルは何をしているのかというと、『重力』の魔法にかかっていて地面に倒れていた。
ハルキ「俺一人かよ! し、死ぬし!」
シドゥマ「安心して。貴方は殺さないから」
ハルキ「えっ?」
シドゥマ「でも、このイリルとかいう女には死んでもらうから」
シドゥマが詠唱を始めた。マズい、なんとかしないと。
しかし何をすればいいのか。何かイイ案はないのだろうか。
ハルキはとっさに詠唱を始めた。