*Shiki* 2巻
□第38話
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風が吹いた。風は頬を撫でるかのように通り抜けた。
ハルキ「あぁ、この村いいなぁ。なんか好きだ」
レイ「じゃあここに住む?」
ハルキ「そりゃできないよ」
一行は一軒の宿に着いた。これまた古い趣のレンガ造りの建物だった。ただ小さかった。看板がかけられていて何か書いてあるが、ハルキには読めなかった。シュウ曰わく『ジョナの宿』と書いてあるらしい。とりあえずそこに入ることにした。
「あ、旅人さんですか? ようこそおいでくださいました。外の看板に書いてある通り、ここはジョナの宿屋です」
中に入ると、エプロン姿をした女性、20歳くらいの人がカウンターで微笑んだ。一行もつられて微笑んだ。
女性「私はデニーといいます。よろしくお願いします」
デニーは丁寧にお辞儀をした。