●企画文
□祝・跡部誕生日/2008
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幸せの跡部様2008.10.04
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跡部景吾は
中学最後の夏を実りあるものとして終えた事に、
とても満足していた。
全国優勝は逃したものの、すべてに於いて充実した試合
引き連れる200人の部員、皆が感動し跡部部長に酔いしれた夏だった。
しかし、実りあったのは部活の事ばかりではない。
大会の終了からこっち
跡部は得難いものを得た。
それは心揺さぶるもの
それはかつて感じたことなどない感情
それは… 甘酸っぱい気持ち
跡部は中3にもなって、始めての
恋をしたのだった。
交わした会話を思い出し独り笑い
寝ても醒めてもただ１人の顔を思い浮かべ
顔だけで無く、動き回るその全身、全てへ思い馳せ
気付くとこぼれている、深い溜息。
なぜこんなにも気になるのか
あの、他校の二年生。
腫れぼったい一重まぶたと悪い目つき
これはねぇだろと思うアンシンメトリーな前髪や
その割には刈り込んだ後頭部
変な笑い声と無駄に早い脚。
考えてばかりで他の事には手がつかず、
悶々とした日々を送って
ようやく気付いたのは夏の終わり。
これが、恋…
俺様の … 初 恋 …
跡部はようやくわかった。
世の中にラブストーリーやラブロマンスが叛乱しているわけを。
ヤツに出逢う迄、なんてくだらないと思っていた。
他人の恋愛模様なぞ見ても何の足しにもならない。
しかしそれは恋を知らなかったから
恋愛という言葉は知っていても
恋愛とは何かを全く知っらなかった己の不明。
なんてことだ、世界が広がったぜ。
俺様に恋心を芽生えさせるとは、
なかなかやるじゃねぇの、アーン？
貴様は俺様を惚れさせた
それだけで万人にはない才能があると認めよう。
テメェのその、凡庸以下のツラも輝く才能と認めよう。
光栄だろう
この俺様の初恋の相手に選ばれたんだからな…
ファーッハッハッハ！！
新学期が始まり１カ月
時間があれば俺様が直々にショボイ公立校まで迎えに行き、
アイツの喜ぶ場所に行き逢瀬を…
いわるゆデートってやつだな
…デートを重ねた。