●庭球文

□失態。
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  大☆失☆態ーーー!!!!!

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伊武深司と、おつきあいを始めてからもう2カ月。
いや、アタックをかけてから3カ月。

それまでは、女の子に即、手を出していた千石清純も

今度の恋は本気の本気で、相手が相手だけにまだおあずけで
しかも、遊び友だちの女の子たちを全員精算してしまい
募る想いと溜るフラストレーションをかかえて
禁欲生活もつまりこれで約100日間。


-----限界だ!



「させてください!」
「……は?」

部屋に遊びにおしかけてきた千石だったが、
マイペースにも恋人の前で雑誌を読み続けたままの伊武に

ついに単刀直入、真剣な眼差しで頼み込む始末。

伊武は何を頼まれているのか解ったような気がしたものの
まさかな、と用心して続く千石の言葉を待った。

「伊武クン!オレもう自分の手じゃ満足できないんだよ!」
「………」

伊武の反応は無言、無表情。
しかし脳内では膨大な種類の感情が一度にドッと渦巻いた。

これは…
怒るべきかツっ込むべきか嘆くべきか断るべきか殴るべきか…
いつもヘラヘラ笑っているこの人の真剣な表情。
でも何も、こんな内容で希少な真面目顔を…。だいいち、…手って…
かなりセクハラ発言?やっぱ怒っとく?
ってかそんな必死に頼まなきゃならないくらい切羽詰まってンの?
そんなに我慢させてたの?
むしろそんなになるまで我慢してる意味がわかんない。
…千石さんの真剣な、目。
これはちょっと…突き放すのはカワイソウ…。
でも甘やかすとつけあがりそう…。
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