●庭球文

□禁煙!
1ページ/3ページ

〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓

  メンタル・スモコロジー

〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓



今日、二人は同時にデートを断られた。


「せつないねー…」
「………」

「かなわないよねー…」
「………」

溜め息をついて愁い顔の千石と
黙ったまま腕を組み渋面を作っている跡部。

ふたりはそれぞれの恋人と
今日を過ごす予定を立てていたのだが

「部員全員で橘さんの手料理をご馳走になる」

という、究極の横やりに串刺しされてしまったわけで。

トボトボと敗者どうし、喫茶店でなぐさめあう…
もとい、これからの傾向と対策を錬る会を
惰性によって開催中なのだった。


「あ、吸う?」
煙草を取り出した千石が過去喫煙仲間だった跡部に聞く。
跡部は手を出さずに片眉を上げて聞き返した。

「オマエやめたんじゃねーのか」
「うん。伊武クンがねー、タバコ自体はともかく
ケムイのが嫌だって言うから。数は確実減った。」
一本くわえてからカバンを漁り、
底のほうからライターを見つけだして火をつけた。

「ふーーー。」
喫茶店の天井に向って紫煙を吐く。
跡部はソレをつまらなそうに目で追った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ