●庭球文

□条件?
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  複雑で単純な条件

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「だから!ダメなんだって!」
「ふざけんな!そんな理由納得できるか!」

先程から繰り返されている怒鳴りあい。

最初は根気良く説き伏せようと思っていた神尾だが
激昂する跡部に対し、次第に声を荒げていき

お互いすっかり喧嘩状態になだれ込んだ次第である。


「テメェ今度の祝日は部活が午前だけだっつってたろ!」
「だから!午後から部のみんなと遊ぶんだよ!」
「そんな予定キャンセルしろ!」
「しねーよ!午後は深司に---」
「またアイツかよ!!」


つまり。
神尾の予定が空いていると聞き計画したデートの誘いを
あっさりと断られ、問い質した結果、またしても原因は伊武深司。

喧嘩に発展した言い争いも、理由が判明した今
それが引き金となり、跡部は蓄積された我慢をついに爆発させた。

「てめーは俺様よりヤツが大事だってのか!?」

逆上した跡部に対し、いつもなら更に高いテンションで
怒鳴り返す神尾だったが

その言葉にクッと唇を引き結んで、やるせない表情を見せた。
悲しいような、困ったような、そんな顔。

跡部は滅多に見ない神尾の表情に一瞬怯んだが、
何故だか余計腹が立って、
「……勝手にしろ。帰れ!」
吐き捨てるように言い、
ソファから立ち上がり神尾を残して部屋を出た。


-----イライラする。

乱暴にドアを閉め、跡部は大きく深呼吸した。

神尾にとっての自分は、そんなに小さな存在なのか?
自分を後回しの存在に押しやる神尾にムカつく。
そうさせる伊武の存在もムカつく。
……なにより
そんな事で、そんなくだらない事で
こんなにも焦燥を感じる、自分にムカつく。
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