●過小話

□2006後半拍手
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朝、起きたときの伊武クンの顔がすき。
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髪が、ひとすじ、ふたすじ、かかる首筋には
昨日のアトが鮮やかで、ああまた怒られる〜ぅ、なんて思ってニヤニヤ。

目を閉じているのが、まるで誘ってるようにセクシー。
そっと頬に手のひらを添えたら、「ん」と小さく声がして、
無意識なのか、オレの手のひらに口づけるように顔をすり寄せた。
僅かに睫がふるえゆっくり開く瞳が、焦点を結ぶのは覗き込むオレの顔。

クールな彼が無防備なその瞬間。
オレを見る瞳の底が、淡く笑み、揺れる。

朝、起きたときの伊武クンの顔がすき。


たまらなくって半身起こし、上に乗りかかりキスしようとしたら
腹部にヒザ蹴りをくらった。
「うぐっ」
「…朝からサカるな」
「め、めんご…」

朝、起きたときの伊武クンの顔がすき。

……でも彼は、寝起きがすこぶる悪い。








朝、起きたときの千石さんの顔がすき。
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…あーあ…満足そうな顔をしてまだ寝てる。
黙っていれば、そこそこカッコイイのに…なんて死んでも言わないけどね。

巻き付く腕に腕を重ねる。
嫌が応にも、目に入る千石さんのむき出しの肩には俺の爪がつけた赤い筋。
…ちゃんと爪切ってるのに、どうしてこんな痕が…。

腕を伸ばしその肩に触れる。
キレイに筋肉がついていて、滑らかで乾いた皮膚の下に孕まれた熱が心地良い。
何度か撫でれば、身じろいでシーツが擦れる音。

起こしたかな、と顔を覗けばうっすらと開く瞳。
俺に気付けば幸せそうに目が笑う。
…起きてる千石さんはいつも笑ってるけど
なかなかこんな笑顔は見られない。

なんて、嬉しそうに微笑むんだろう。
…それ、誰が笑わせてるの

俺?……俺なんだよなぁ……。

朝、起きたときの千石さんの顔がすき。


「伊武くんvオハヨv」
「……あの、なんか脚に当たるんですけど」
「だって朝だもーんvV」

…これさえ無ければなぁ…。
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