夢色シャトル

□ベタベタな関係
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「今日こそ積年の恨み、晴らさせていただくとしましょうか陽介。」
「積年って…毎度思うけどなんで土御門じゃなくて俺かなあ?」
「今更ですね。なんですか、いつも話も聞かずに適当に相手して居なくなるくせに行き成り。」
「いや、いっつも理不尽に神裂さんに突っかかられてるから、ちょっと尋ねてみたくなったんだよ。これで通算23回くらいだし?
可愛い女の子に追いかけられるのは好きだけどさ。」
「貴方には出逢った日からひとつやふたつじゃ返せないほどの借りがあるんですよ。」
「ひとつやふたつって…俺神裂さんにお礼言われるほどなんかしたっけ?」
「逆だ逆!褒められる様な事をしていないから私がこうして憤慨しているんでしょうが!!わかってないのか!」
「えー?神裂さんがそんなに怒るような事もした覚えないんだけど…
っていうかそもそも神裂さんが俺を追っかけてくんのは俺はてっきり猫に盗まれたブラを取り戻してきた事について、漸くお礼におっぱいでも揉ませてくれるものかと…

あ、因みに俺は貧乳派だからでか乳には興味はないか、うはあっ?!せ、せめて開戦前には一言かけて!」

「やかましい!何処の誰が笑顔で人の下着を持ってきた見知らぬ男に、お礼として乳までもませるか!普通不審者兼変質者と見做して対処するのが当たり前でしょう!」
「えっ、俺そんな風に見られてたの?!つか、それ大分前の事じゃん!いつまで引きずってんの。」
「なんですかその今気づいたみたいな反応は!こっちが吃驚です!後、女は割りと執着深い生物なのでその点はご了承を。」
「うわ、男の女に対する幻想砕いたよこの人。どっちにしろ後で土御門繋がりの知り合いだって分かったんだからいーじゃん。ねーちん。」
「ねーちん呼ぶな!」
「だッ、だから前触れなく攻撃すなっ!!…土御門には呼ばせてるくせに」
「あれは勝手に呼んでるだけです!」
「だったら俺が呼んでもいいじゃん…」
「わ、私にはねーちんではなく火織という名前があるんです!」
「……ねーちん、それって…」
「だからねーちん言うなと…!」
「さては、愛しの俺に名前を呼んで欲しいって言う暗喩……うぉわ?!ちょ、だから!タンマ!マジタンマ!!今の洒落になんないから!俺がもう少し早くに見切んなかったら首と胴体オサラバだったから!」
「やはり貴方の根性は元から質さねばならぬようですね…その斜め上にお気楽な頭、叩いて直して差し上げましょう!」
「俺昔のテレビじゃないから!ああ、面倒っ。マジ面倒!本当、神裂さんって割と物好きなんだからなっ。」

「(面倒とか言いながら付き合う貴方に言われたくないですよ)」
「(でもなんのかんの言いながら付き合う俺も結構アレだよな)」


「つーか、そんだけベタベタ展開繰り広げといてアレでお互い自分の気持ちにすら気付いてないとか、どこまでベタベタ展開繰り広げるつもりだにゃー…」

◆最早じゃれあい。

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