まほう
□魔法のチカラで
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好き好き好き。
笑った顔、小馬鹿にした顔、驚いた顔、眠そうな顔 全てが素敵。
「おはよう、ドラコ。」
寮ですれ違う彼に一言挨拶をするだけで精一杯。平然を装う。
ドラコマルフォイ 彼は有名人だ。それに女の子から人気だってある。プラチナブロンドの艶のある髪。透き通るビー玉のようなブルーアイ。勝気な表情。堪らない。
稀にハリーポッター達にからかわれて(仕掛けるのはいつも彼の方が先なのだが)見せる気の抜けた情けない顔だって素敵だ。
頭も良く、お金持ちでもあるし彼のスペックは恋人にするには申し分ない、皆が恋人にしたがる人物である。
それはティーンエージャーで愛に飢えるわたしも同じで。
というより、彼のことがすごく好きだ。
いつもの自分なら恋をしたらグイグイと行くタイプなのですぐに気になった異性とは仲良くなれるのだが、しかしそんな私が何故かドラコ マルフォイのことになると奥手になってしまうのだ。
1日に一言二言を交わすのがやっとで彼のことを眺めては顔を赤らめ、彼がいない授業では彼のことを考える。ウブな女子も良いところだ。
先ほど図書室で借りた占いの本をパラパラとめくりながらそういえば以前にどこかの先生が占いは魔法の中で一番曖昧なものと言っていたなぁ。と思い、ふっと小馬鹿にしたように笑った。
途中気になるページがあったのでめくりすぎた数枚をを辿り開く。
気になる人が自分のことをどう思っているかを占うとそのような内容だった。
占い学はめっぽう苦手なのだが、所詮占いだ。