偶然週間
□Ex2.同学年
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なーんか忘れてるような気がする。
なんだっけ。
あ、向日が奢ってくれるって言ってたなー。
そのことを思い出し斜め横の向日の席へ向う。
「向日ーそいやこの前なんか奢ってくれるって言ったよね〜!」
向日の顔を見るとゲ、と言わんばかりの表情だ。
自分で言ったくせに。
「あ、あぁーそんなこともあったな〜ハハハー!」
「笑ってごまかしてもダメ、お昼前付き合ってね?」
ニッコリと笑って見せた。
笑ったのに向日にはこえぇよと言われてしまった。
傷つくなあ
まあ、奢ってもらうのが目的ではあるけどもう一つの目的は、もしかしたらスポーツショップの彼が向日の知り合いかもしれない、と思ったからだ。
きっと、跡部サンに聞くと一発なのだろうけどわたしは面識がない。
わたしのことはもし知っていたとしても名前くらいかなーレベルだ。
別に飛び抜けて天才なわけでもかわいいわけでもないし目立ったことはしていない。
普通イズベスト!
よーしお昼だし向日とごっはん食べにいこー!
そう思いながら廊下の方に目をやったら通っていく1人に釘付けになった。
「…っあ。」
心拍数が上がったような。
やばい、なんかこの人見たことあるなーなんて思っていたらこの人はもしかして。
この前の。
わたしが一目惚れした人。
この辺に居るってことはつまり三年生?
だよね。
だって隣にいるじろうくんって三年だもん。
じろうくんも確かテニス部…レギュラー?じゃなかったっけ
強いんだよね。
スポーツショップの人は強いのかはわかんないけど
どうやら彼は三年生らしい。