偶然週間

□Ex3.強い
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今日は気分で早く学校に来た。

普段はそんなに早くないけど、宿題やってないし学校でやっちゃおうかな。と思ったからだ。

朝のんびりするのも好きだし。

音楽を聴きながら校門を通り気分は爽快だった。

二階へ上がる途中 外を見ると黄色い物が見えた。

あ、テニス部か。

もしかしたら、と思い目当ての人を探す。

「…いた。」

名前は知らないけど、やっぱあの人だ。

彼を見つけた瞬間何故かわたしは階段を降りていた。

テニスコートにいきたい。
彼をもっと近くでみたい。

今日は風が少し吹いていて気持ちいい。


テニスコートに近づくにつれパコンパコーンとボールを打つ音が聞こえてきた。

シャトルと違う、もっと重いけど打ったらすごく気持ち良さそうな音。


「あ、大川さん。どうしたのこんな所で。」

ぼーっとテニスをしている人たちを見ていたらそれに気がついたのか声をかけて来た。

「あ、うん頑張ってるなーって思って。ちょっと気になったから。」

ははーと笑う。
この人誰だっけ。

「そうか、大川さんは朝練とかないの?」

「うちは朝練はみんな朝から汗臭くなる〜とかいって、全然集まらなくてやってないんだ〜。」

女の子だしね〜と適当な相槌をうつ。
この人、髪の毛サラサラだなーと思い、目を一目惚れの人にうつす。

「宍戸のこと気になる?」

ドキッとした。
「うん。あの人、宍戸くんっていうの?」

「あれ?名前しらなかったんだ。じゃあ、俺もそろそろ戻らないといけないし大川さんも頑張ってね。じゃあ また。」

ヒラヒラと笑顔で手を降る、あー、何くんだっけ。

「ありがと!がんばれ〜」
笑顔で手を振り返す。

うーん。宍戸くん。そういえば同じ部の子がかっこいいって言ってたの聞いたことあるかも。

覚えにくい名前だなぁ…

名前を覚えるのがニガテなのですぐに忘れてしまいそうだ。

あ!そうだ。と思いケータイを取り出す。
ケータイのメモ帳に ししど と打って閉じた。
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