偶然週間

□Ex4.友達
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はー。今日は寝坊して遅刻しそうになるしお弁当も忘れちゃったし最悪な日だ! 昨日無駄に早起きした分を今に持って来たいという絶対に無理なことを考えた。

しかもよりによって日直だ…。
最近宍戸くんという素敵な人が現れて浮かれていたからバチが当たったのかな。もう少し日頃の行いをよくするべきなのかしらー。

キンコンカンコンとチャイムが鳴る。午前の授業は終わり、今からお昼ご飯を食べる時間だ。

友達はお弁当持ってきている。食堂にお弁当をもっていくのは氷帝学園の豪華な料理と家庭の手作りとを比較されるのでみんなは嫌な顔をするだろう。

はぁ。仕方ないな〜。そういえば向日は食堂で食べてるかもしれないと思いキョロキョロと教室を見渡す。
すると廊下にはなんと宍戸くんがいた。あぁ、かっこよすぎる。彼だけ輝いて見えるもの。

向日居ないな、どこにいるんだろう。
「大川、ちょっといいか?」
向日を探していたら教室の外から声がした。誰の声かはすぐに見当がついた。宍戸くんだ。

宍戸くんの方へ向かう。
「宍戸くん、どうしたの?」
そう聞くと、岳人に用があんだけど、どこにいるか知らねえか。と聞かれた。
わたしも用があるんだけど、教室には居ないや。
と答えた。
彼も向日に用があるのか。はぁ、あいつを探してたらご飯食べ損ねちゃいそうだよ。どっかで飛び跳ねてんのかな、あの馬鹿チビめ。
なんて心の中で悪口を言う。

そういえば今はお昼休みになったばかりだし、もしかしたら宍戸くんもお昼まだ食べてないのでは!?

「ねえ、宍戸くん!お昼ってまだ食べてないよね?よかったら一緒に食べたいな〜、なんて。」
これは、一緒に食べて仲良くなるチャンスかもしれない!

「俺も今大川に聞こうと思ってた。」
宍戸くんは少し照れたように頭をかく。

多分彼も向日をご飯に誘おうとしていたのだろう。
あぁ、断られたらどうしようかと思った…。すこしホッとした矢先
はっと気づく。宍戸くんと二人きりでランチじゃん!向日がいてくれたら会話は成り立つだろうに、こんな時に限っていないなんて!
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