04/24の日記

19:33
おめでと武!
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山本誕生日小話





「誕生日おめでとうございます」
「お、ありがとな、骸」

穏やかな陽射しが窓から差し込む部屋での会話だった。突然の来訪者が骸である事に、疑問を山本は感じたが、今の言葉を伝えるために来てくれたのか、と理解し、知ってたのか、と、一人ごちた。
「それは勿論、君の誕生日ですから」
なんの下心も感じさせない笑顔で、サラリと言われると、山本は何処かむず痒く思うのと同時に顔が熱を持ったような気がした。
「しかし、残念ながら知ったのは昨日の事でして、何も用意出来ていないんですよ」
「はは、気持ちだけでおれは、凄いうれしいよ。でもさ、骸。誰からそれを…」
聞いたんだ?山本がそう言い切る前に骸が小さく呟いた。その表情は何処か愉悦を含んだものだった。
「?骸、」
「おやおや、…来たようですねぇ」
なにが、と尋ねる間もなく、部屋の扉が乱暴に開かれた。何の遠慮もなく部屋に入って来たその姿を見て山本は声をあげた。
「雲雀!」
その声を聞くと、ツカツカと無言のまま山本の前まで歩き、その腕を引き上げ、座っていた山本は強制的に立ち上がらされた。
「っえ、ちょ雲雀?」
「行くよ」
一言だけそう言うと、今入って来た扉まで歩き、骸の方を睨んだ。骸はその視線を受け流し、面白そうに笑った。
「誰から聞きました?」
「………沢田」
「成る程。張本人がばらしたわけですか」
うんうんと一人頷く骸と、不愉快そうにただ睨みつける雲雀を交互に見詰め、山本は眉尻を下げた。

山本が困っているのに気づいた二人は、話は終わりだとばかりに視線を外し、いくよと呟き、雲雀は山本の手を引き部屋からでていった。その際に山本が「またな、骸。」と言ったことに、雲雀はこれまた複雑な顔をし、骸は幸せそうな笑顔をした。












「ひばり、」
「山本。誕生日おめでとう。…なに、その顔は」
「いやだって、雲雀が祝ってくれるなんて思わなかったしさ」
「なにそれ。僕を何と思ってるの、君は」
「ははは、ごめん雲雀。…ありがとうな」
「どういたしまして」










(黒幕は沢田さん家の綱吉さんです。ちなみに彼は1番にお祝いしてます。この後むくろさまは5月5日に仕返し計画を立てます。
お誕生日なのに微妙なお話ですいません…。愛は詰めました。山本、生まれてきてくれありがとう!)

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