DRRR!!
□フォーリンガール
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※バッドエンド
※来神だけど新羅寄り
ある日、彼女から教科書を貸してくれと頼まれた。僕は快く彼女に貸してあげた。普段から真面目な彼女が忘れ物なんて珍しいと思いながらも、特に気には留めなかった。
しかし、その頻度がだんだん増していき、最近ではほぼ毎日のように僕に貸与を申し込んでくるようになった。
「何かあったの?」
僕がそう聞いても、彼女から返ってくる答えはいつも同じだった。
「何でもないよ。」
笑顔で、彼女はいつも僕にそう言っていた。
♂♀
そんな僕の疑心に気づいたのか、彼女はぱったりと来なくなった。ますます怪しいと思った僕は、教室を移動中の彼女を偶然見かけ、声を掛けた。
「実は教科書無くしちゃっててさ。もう見つかったら大丈夫だよ。」
ほんの少し違和感をおぼえたが、僕は無理やり自分を納得させることにした。そしてその『違和感』が何だったのか、彼女と会ってから数日後に知ることとなった。
「おい、あいつが毎日教科書借りに俺のとこに来るんだが、何か聞いてないか?」
彼・門田くんの話によれば、彼女が僕の所に来なくなったその日から、彼女は彼に教科書を借りているようで、ここ数日はそれだけでなく、体育で使うジャージやシューズなども借りているらしかった。
『どうした?』
下校途中、セルティのPDAでハッと我に返った。
「ああ、ごめんね、セルティ。ちょっと考え事してただけさ。」
『そうか? ならいいんだ。』
と、セルティは何か思い出したようにPDAに文章を打ち込んで、僕に見せた。
『この前、お前が言っていた女の子を見かけたぞ。』
「え、本当?」
『ああ。だがその子以外に何人か女の子がいて、60階通りのほうに向かって行った。見た感じ、親しくはなさそうだったんだが…』
それを聞いて、僕の中の違和感が不安へと変わる。彼女のことが、とても気がかりだった。