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今日の朝のニュースで、それを知ったんだ。
朝食のパンを片手に、いつものようにテレビを眺めてた時のこと。




「─両国の治安が急速に悪化しています。このままだと、世界を巻き込む 大規模な戦争になるでしょう─
隣国の首相と会談を続ける○○氏は─…」




国のエラい人は、
テレビの中で、こぞって机とにらめっこ。


「…どうせ、何も進展(かわら)ないよ。」
私は呟いた。



政治家なんて
知ってる現実(こと)だけ知らんぷりする。

私には関係ない、
そう思って時計を見ると、
もう8:30で…あっ!


私は慌てて家を飛び出した。



今日も曲がり角。
信号待ちをしている中に
一人の同級生の姿が見えた。


よかった、間に合った…
息切れを隠し、
君の傍に こっそりと歩み寄る。



後ろから小突くと
彼は驚いたようにこちらを向いた。

偶然だね、とウソをついて
今日も、きみのひだりをキープする。



学校に着くまでの5分と、笑顔が 私の宝物だった。


だから今は、
“世界が”どうなっちゃうとか
全然実感わかないよ。



ただ この君との距離が
今、肌と両手に伝わる唯一の「幸福感」なんだ。





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