緋月

□2人の唄。
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尾浜勘右衛門は昔、多大なる劣等感を抱いていた。

同クラスの久々知兵助、ろ組の学級委員長の鉢屋三郎。
多くはこの2人の所為だった。

クラスでは久々知に負け、委員長としては鉢屋に劣った。
久々知は他人の成績を気にはしない人物だと知っていたからまだ良かったものの、鉢屋に対しては鉢屋が悪戯好きなのも足されて、反りがあわなかった。


尾浜は昔、天才と謳われた鉢屋が大嫌いだった。










今日の授業の一切が終了し、それぞれ委員会や自習をする時間、尾浜は木下から渡されたばかりの紙束を持って、廊下を歩いていた。

それは委員長としての仕事なのだが、いつも同室の久々知に手伝って貰っている尾浜は部屋でやろうとも考えたが、今日頼りになる久々知は外出すると言っていた。



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