Livingroom

□寝言〜政宗Ver.
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寝ている時は素直ですね?






寝言







「政宗様、朝です。起きて下さい」政宗様は朝が弱い。俺が起こさなければ、昼まで寝ていられるだろう。
「政宗様」呼びながら体を揺すったが、むにゃむにゃと起きる気配が全くない。
「…」どうしたものかと思案していると、突然名前を呼ばれた。
「こじゅ、ろ」
「はい」反射的に返事をしてしまったが、それ以上何も言わない主を見やるとまだ夢の中だった。
「寝言だったか…」
「ん…こ、じゅ…こじゅろっ…」政宗様の手が空をかく。よくよく顔を見れば、左目から透明な雫が溢れている。




泣いてらっしゃる…政宗様が?俺を呼びながら?何故?




いろいろ思うところはあったが、俺はとりあえず
「政宗様」と、そう呼んで、そっと手を握った。すると、
「こじゅ…ずっと、傍にいて…ひ、とりにしないでっ…」
「!」泣きながらそんなことを言われた。成程、だから俺を呼びながら泣いたのか。…不謹慎だが嬉しく思ってしまう。普段はあまりそういうことをおっしゃらないから。
「ずっとお傍におりますよ。」ぎゅ、と握る手に力をいれる。
「こじゅ…」
「はい」
「…大好き…」ふわりと笑って、そんなことを言う。どれだけ可愛けりゃ気が済むんだこの方は?
優しく慈しむように頭を撫でてやる。まだ寝かせてやりたい気もするが…可愛い本音も聞けたことだし、起こすとするか。






Fin.
 

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