Livingroom

□悪い夢を見たら
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たとえ世界中が貴方の敵だとしても。








悪い夢を見たら









俺が梵天丸様の傅役になって半年が過ぎた。相変わらず距離はあるが、始めの頃よりはだいぶ話して下さるようになった。俺の誕生日に―ややぶっきらぼうではあったが―「おめでと」と言って下さるくらいには。
どうせなら隣に座らせていただいた方が何かと教えるのには楽だが、まだそこまでは許してくださらない。
「…というか、本当にあれで8歳なのか?」いや外見や言葉遣いは年相応なのだ。ただ、その浮かべる表情や、考え方があまりに不相応で。
「…まぁ俺も年のわりには捻くれてはいるか」苦笑いをしながら梵天丸様に声をかける。
「梵天丸様、失礼いたします」そう言って障子を開けると、梵天丸様は輝宗様からいただいた守り刀を手入れしていた。
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