Livingroom

□My sweet lover
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貴方の一番傍はいつだって俺の場所。









My sweet lover











「………」その日、政宗は非常に機嫌が悪かった。奥州の竜をここまで不機嫌にさせるのは、右目たる小十郎しかいない。
「やばいよアレ…綱兄、どうにかして」
「それは無理だろうな…小十郎は今日一日を畑で過ごすつもりらしかったから」そう、今日一日小十郎は休みなのだ。だからこそ政宗は機嫌が悪いのだ。しかし自分が「休め」と言った以上、呼び寄せることが出来ないらしい。政宗には、そういうところがある。
「…俺、梵があんなヤバい雰囲気出してんの久々に見た」
「もう少ししたら後ろに般若が見えるだろうな」
「怖いこと言わないで!?」成実と綱元は触らぬ竜に祟り無しとさっさと逃げ出した。一人部屋にいる政宗の機嫌は悪化の一途を辿るばかりである。
「………出てこい猿」
「…バレてた?」
「良い度胸だ…てめぇの首ふっ飛ばしてウサ晴らしにしてやるよ…有り難く思え」ゆらりと政宗が佐助をみる。
「ちょっとちょっと、瞳孔開いちゃってるよ!?落ち着いて!無抵抗な俺様斬る気!?」佐助の顔が引き攣った。
「…痛くしねぇ、一瞬で済む」そう言いながら刀を大上段に構える。
「そういう問題じゃないよ!右目の旦那が聞いたら怒るよ!?」その言葉に、政宗がピタリと動きを止めた。
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