Livingroom

□素直じゃない
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そこがまた可愛い、なんて













素直じゃない















ある何の変哲もない昼下がり。ジェイドはいつもの様に自分の執務室で書類を片付けていた。

―コンコン

突然ノックされたドアを一瞥し、ジェイドは再び書類に視線を落とした。

―コンコン

再びノックが響いたが、今度は目を向けることすらしない。するとややあってノックの主が焦れた様に声をあげた。
「旦那、いるんだろ!入るからな!!」バタンとドアを開けたガイを、見ないままでジェイドは言葉を投げる。
「入って良いとは言ってませんよ」
「旦那が返事しなかったからだろ」ガイは新しい書類とインクを机に置きながらぼやいた。ジェイドは部屋に入る時はノックをしろと言うくせに、ノックをしても返事をしないのだ。
「ええ。面倒でしたし、誰だかわかってましたから」
「…俺ノックする意味あるのか?」どうせノックなぞしてもしなくても、この男は自分がこの部屋に入ることを拒んだりしないのに。
「勿論。マナーですからねぇ…『伯爵様』」最後の一言を皮肉たっぷりに言って、やっとジェイドはガイに視線を向けた。
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