Livingroom

□運命
2ページ/3ページ

「まぁ別に構いませんが…早くしないと日が暮れてしまいますよ」小十郎が小言モードに入る。面倒臭くて俺は小十郎の台詞を遮って言った。
「お前は不思議に思ったことはねぇのか?」
「何をですか?」俺はじれったく思いながら言う。
「例えば、こうして伊達家に仕えて無かったら、家を継いでたら、どうなってたかって」小十郎はそんなこと考えたことも無い、という顔でしばらく悩んでいたが、徐に俺を見つめて、言った。
「小十郎は、貴方にお仕えする為におります故、不思議に思ったことなどありません」
「………」予想出来た答えのはずなのに、思わず声が出せなくなってしまう。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ