Livingroom

□暗い森
2ページ/8ページ


二刻程歩いただろうか。もともとあまり動かないほうだから、足が痛くなってきた。歩きながら、呪詛の様に呟く。



「…なんで」



サクサク



「…なんで?」



サクサク



「…なんで!!」


サクッ。


「なんで、どうして?梵はっ、梵が何をしたって言うの!?」堪らなくなって叫んだ。梵は悪くない、悪いのは、悪いのは…?梵は…一体何をしてたんだっけ?
「そうだ…確か、小十郎と、今度花見に行こうって話してて…そしたら竺が来て…」梵が連れてってあげられない、危ないからって言ったら、泣きながらいなくなって。半刻後くらいに、母上が梵の部屋に来て。

「あぁ…そうか。これは…罰なのか。竺を泣かせた…」母上の、たった一人の愛息子を泣かせた者への、罰。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ