Livingroom
□暗い森
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二刻程歩いただろうか。もともとあまり動かないほうだから、足が痛くなってきた。歩きながら、呪詛の様に呟く。
「…なんで」
サクサク
「…なんで?」
サクサク
「…なんで!!」
サクッ。
「なんで、どうして?梵はっ、梵が何をしたって言うの!?」堪らなくなって叫んだ。梵は悪くない、悪いのは、悪いのは…?梵は…一体何をしてたんだっけ?
「そうだ…確か、小十郎と、今度花見に行こうって話してて…そしたら竺が来て…」梵が連れてってあげられない、危ないからって言ったら、泣きながらいなくなって。半刻後くらいに、母上が梵の部屋に来て。
「あぁ…そうか。これは…罰なのか。竺を泣かせた…」母上の、たった一人の愛息子を泣かせた者への、罰。